医業個人開業医はいつから法人成りすればいいのか?

I先生は南部で開業一年目でした。周辺の医師仲間に色々教わりながら、手探りで医院経営を始めたばかりです。医師仲間の話では医院の法人化について意見は全く賛否両論で、余計に悩んでしまったそうです。そこで設立からお世話になっていた顧問税理士に意見を求めたところ、「法人化は止めたほうがいい」とのことでした。そうか、と思い一度は諦めたものの、やはり納得いく説明がされなかったので、自ら調べたりした後に、弊社の開業医向けの「医療法人セミナー」にお越しいただきお客様になりました。

 「個人事業の単なる延長では、医療法人を設立する意味はないです!?」

セミナーの冒頭で山内税理士が言う言葉に「あれ?!これまでと何か違う」と感じるものがあったようです。と言うのも、I先生は開業する以前の勤務医だった頃のほうが資金繰りは良くて、開業したことを半ば後悔し始めていたからです。

セミナー参加は初夏でしたが、税理士の変更をするのに決心がつかず、当社へ実際にお越しになったのは、7月になってからでした。

どのタイミングで医療法人を開設するのか?

法人開設に県の許認可等が間に合うのか?

I先生の頭の中に不安がよぎりましたが、とにかく経営者としてどの道が自身にとって良いか大きく決断することにしました。

こうしてI先生の法人設立に向けて、プロジェクトがスタートしました。

解決策スピーディーな医療法人設立で、個人開業時代の所得税の還付を受けた! 

その年の県の医療法人設立の認可の締め切りに間に合わせるために、医療法人設立担当者と財務担当者、税理士、様々なスタッフがI先生の医療法人開設に向けて関わりました。手続きは労働集約的な作業面も多いですが、手慣れたスタッフの連携と一人医師医療法人に精通した税理士が連携しているので、I先生も安心してお任せできました。

無事に10月に法人開設をし、その年は3か月だけ法人の事業となりました。翌年にI先生の9か月分の個人所得の確定申告を行いました。法人への設備の引継ぎや、運転資金の借り換え、利息の交渉など、多岐にわたるアドバイスをうけ、それを実践した結果、個人所得の確定申告では何百万もの還付を受けました。これにはI先生だけでなく、奥様も大喜びでした。奥様曰く「いただいてもいいのかしら?ボーナス貰ったみたいで嬉しい!!」と弾む声に応接室にいたスタッフ皆で喜びました。


法人開設から半年経過した頃、I先生を招いて経営会議をしました。途中経過と個人開業時代と法人化してからの税金等の比較をするためです。

日常、客観的に数字を見ることはないので、こうした経営会議の場で近い将来の予測や振り返りで、法人化の効果があったかどうかの検証も、税理士の大事な仕事です。

I先生、理事の奥様、皆揃って経営の話をします。

「もう少しスタッフを増やしたいが、経営は悪化しないか?」

「新しい機械を購入しようと思うが、借入がいいか?リースがいいか?」

経営の話題は尽きません。そうして、将来を見据えたお話も忘れません。

「後継者が決まりそうになったら、医院の不動産はどうしたらいいか?」等々。


前向きなI先生はその後も順調に業績を伸ばされ、地域には無くてはならないクリニックになっています。

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